残念なお風呂

Usually

ある日、会社から帰宅しお風呂を沸かそうとしたところ、
湯沸しの回すところがねじ切れた。


見ての通り、この湯沸しは年代物でかつて点検の方からイエローカードを出されたことは過去2回。

もちろん、このことは大家さんも周知の上。
しかし、まだ、火力も強く(だから逆に怖い(?))点火もいい。
しかし、点検の方から「目がシバシバしたら、窓かドアをほんの少しでも開けて入浴してください」とご忠告も頂いていた。

大家さんもできれば、他の部屋のように最新式(?)に代えたいらしいが、何より、私はここで3回目の更新を向かえるような古株、もしかして、引越し時期をまってる?
とにかく、過去すでに東京ガスの方が一度は見積もりを出すため採寸しにきたものの・・・・・

それから、約半年がながれた。

大家さんは迷っていた、迷って、迷って、ひじょ~に迷っていた。
なぜなら、他の改装した部屋と同じ設備にするには非常~に費用がかかる。でもしかし、今と同じタイプにしても、この後、私がいつか出て行く日が来て、そうなると、いやがおうにも改装の必要が生じてくる。そうするとお風呂だって綺麗にしなくてはバランスがとれない。そうするといわゆる二度手間。

そうして、大家さんは今日の今日まで、この問題を天井裏高く、記憶の彼方の隅の隅のほうへおいやっていったのであった・・・・私の想像では・・・

願わくば、最新設備にして欲しい。
とはいうものの、寒いこの時期、銭湯通いはとてもつらい、しかも、私の帰宅時間は常時終電近く。

とりあえず、迷っているならそれでいい、心ゆくまで迷ってくれ、しかし、風呂には今すぐ入りたい。取り替えずとも、その日の風呂にありつけさえすればよいという私の浅ましい心。とにかく、”まわすところ” だけでもすぐに修理してくださいと、大家さんに一報を入れてみる

そうして、日曜をはさんで二日後、新品の ”回すところ” を手に現れたガス会社の人は一目見るなり。
『あ~~~、そういう問題じゃないね~~~~~~』

『・・・・・・・・・・』

『完全にいっちゃってるね~、あ~あ~、風呂釜もずいぶんきてるね~~~』

どこへ?

『大家さんにいいにいってくるから~』

『あの~、大家さんもご存知なんですが~・・・・』

と、事の次第を説明。

『そっか~、ま、大家さんから指示がないとこっちもどうすることもできないからね~
とりあえず、現状を報告しとくから』とデジカメで残念な湯沸しと風呂釜を連写。

どうせ撮るなら、もっと撮っていっその事、写真集でも出さないか?廃墟や工場の写真集が売れる世の中なのだから、うちの残念なお風呂だって大して変わらない風貌じゃないか?いや、もっと味がある、きっとマニアなら喉から手が出るくらい欲しいはず。そうして、売った印税で『このお金でうちのお風呂を全自動湯沸し器に換えたまえ、つりは今後のメンテナンスの足しにでも』と大家さんに大口たたこうではないか!

いやいや、やけくそになって、そんな現実逃避している場合ではない、もっと直近に私には問題があるはずだ、

・・・・・・・・・今日も、私の風呂は銭湯なのか・・・・・?

私のアパートの近くには、幸か不幸か、スーパー銭湯と呼ばれる、ちょっとお高い銭湯しかない

そう、そこは、ジャグジー有り、露天風呂有り、サウナ入り放題、シャンプーだって、ボディーソープだっておいてある、休日や自分へのご褒美に入りにいくような、特別な空間。そうして、自分んちの風呂代わりにするには庶民には贅沢な空間・・・

あろうことか私はこの後、10日間、ここへ通うことになろうと、この時点で誰が想像したであろうか・・・・・


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